営業として働いてきた中で、私はずっと
「結果が出ること=仕事の価値」
だと思っていました。
誰かに褒められなくても、数字が出ればそれで十分。
むしろ、結果が出たときの方が、はっきりとした充実感がありました。
その価値観のまま、管理職になりました。
今思えば、その時点で少しズレが始まっていたのだと思いますが、当時はまったく気づいていませんでした。

営業としての成功体験が、マネジメントでは足かせになっていた
営業という仕事は、とても分かりやすい世界です。
結果が数字として誰でも分かる形で出てくるため、
誰かの評価や他人から褒められることは必要ないという感覚で今まで仕事を続けてきました。
評価されたり、褒められたりすること以上に努力したことや創意工夫して取り込んだことが
結果となって現れることが一番のやりがいであり嬉しさを感じる瞬間でした。
管理職になってからも、その感覚はそのままでした。
部下も同様の感覚を持っている、「結果」も出ていないのに上司に褒めたり認められても
本当の意味では嬉しくないのではないかと考えていました。
加えて、プレイングマネジャーとして自分も現場に出ていたため、どうしてもプレイヤーの目線が抜けませんでした。
部下が感じていた小さな成功や悩みに、気が付ける余裕もなければ、見ようともしていなかったと思います。
当時の自分がやっていた行動
① 部下を必要以上に褒めなかった
「結果が出ていない段階で、評価したり、褒めたら相手に失礼」
そんな感覚を、私は持っていました。
そのため、部下に対して意識的に褒めたり、認めたりすることはほとんどありませんでした。
結果がでたタイミングで褒めたり、認めるのが良いと本気で思っていました。
今振り返ると、それは自分の考えや価値観であって、
相手が何を求めているのかを、あまり考えていなかったのだと思います。
② 自分の顧客対応を最優先していた
プレイングマネジャーとして働いていたこともあり、自分の顧客対応をどうしても最優先にしていました。
「まずは自分の仕事を終わらせないと」という意識が強く、マネジメントは後回しになりがちでした。
忙しさを理由にしていましたが、実際には
プレイヤーとしてもまだ結果を出したい、思いが非常に強かったのだと思います。
③ 自分がやった方が早い仕事は、自分で対応していた
部下の仕事でトラブルが起きると、
「自分がやった方が早い」
と考えて、仕事を引き取ってしまうことがよくありました。
当時は、部下を助けているつもりでした。
でも今振り返ると、部下が経験するはずだった機会を、自分が奪っていたのだと思います。
④ 管理職になった初心を忘れていた
管理職になった当初は、
「部下の強いところを伸ばし、弱いところを補う」
そんな育成をしたいと考えていました。
しかし、日々の業務に追われる中で、その初心を意識することはほとんどなくなっていました。
目の前の仕事を回すことで精一杯で、長い目で部下を見る余裕を失っていました。
⑤ 細かいところまで口を出していた
細かい内容まで把握しようとし、一挙手一投足に口を出していました。
ここでも自分の考えややり方で結果に繋げたいが強かったのだと思います。
結果として、部下は自分で考えるよりも、「私の正解」を探すようになっていたと思います。
自分では気づきにくいですが、
これは部下の主体性を奪う行動だったと、今は感じています。
仕事のやり方を見直す中で、変えた4つの習慣
部下が辞めるという経験をきっかけに、
「やり方」ではなく、「自分の仕事の習慣」を見直す必要があると感じました。
プレイヤーとしての成功体験が強ければ強いほど、
気持ちや考え方を切り替えても仕事の習慣を変えないと元に戻ってしまうと考えたからです。
① 無理に褒めないが、成長している点を言葉にする
無理に褒めることはしていません。
ただ、凄いと思ったことや、以前より成長していると感じた点については、できるだけ言葉にして伝えるようにしました。
結果だけでなく、
「挑戦したこと」
「工夫したこと」
にも目を向けるよう意識しています。
② マネジメントに比重を置ける体制にした
部署内で調整を行い、重要な顧客からは少し距離を取りました。
担当は持ちつつも、マネジメントにしっかり時間を使える体制に切り替えました。
「全部自分で抱えない」ことを、仕組みとして決めました。
③ 巻き取らず、横に並んで対応する
部下が抱えた仕事やトラブルについて、
自分が代わりに対応するのではなく、時間がかかっても一緒に対応する形に変えました。
正直、効率は落ちます。
それでも、部下が自分で考え、経験する時間を優先するようにしています。
④ 口出しする案件を意識的に絞る
ある程度は自由にやらせるようにしました。
重要な案件や、「これは」と思うポイントだけに口を出すよう意識しています。
細かく指示を出さなくなったことで、部下の動き方も少しずつ変わってきたように感じています。
今も気を抜くと、戻りそうになる
正直に言うと、今でも油断すると
「自分がやった方が早い」
という考えが顔を出します。
忙しいときほど、昔のやり方に戻りそうになります。
だからこそ、これは一度変えたら終わりではなく、意識し続ける習慣だと思っています。
まとめ
プレイヤーとしての成功体験は、強力です。
ただ、そのままマネジメントに持ち込むと、うまくいかないこともあります。
管理職になってから必要だったのは、新しいスキルよりも、
自分の仕事の習慣を切り替えることでした。
同じように悩んでいる方の、何かの参考になれば嬉しいです。